ランディングページ(Landing Page)とは、広義の意味ではユーザーが検索エンジンあるいは広告などから最初にアクセスしたページのことを指します。訪問者のアクション(購入や資料請求など)を誘導することに特化した縦長レイアウトのWEBページです。
保険会社や各種サービスなどでは、専用ランディングページを作成し、検索上位に表示させて訪問者に対して営業をかけるページを見た事がある方も多いかと思います。ECサイトでは商品ページのランディングページを充実させて、購入に繋げることが目標になります。
楽天市場やヤフーショッピングなどでランキング上位の商品ページを見てみると、ほぼ全てが縦長レイアウトの商品ページになっている事が解ります。
ここではランディングページ作りで使えるフレームワークをそれぞれ説明したいと思います。
AIDMAの法則
AIDMA(アイドマ)の法則とは、Attention(注意)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)それぞれの頭文字を取った名称で、アメリカのローランド・ホール氏が提唱した消費行動の心理的プロセスモデルです。
このAIDMAをランディングページで表現すると下記のようになります。
- 注意(目を引くキャッチ)
- 興味(特徴や他製品との優位性を訴求)
- 欲求(困りごとを共感し解決へ導く)
- 記憶(お客様の声やランキング情報で不安を取り除く)
- 行動(キャッチのまとめと購入ボタン)
これ以外にも、AIDMAの法則から派生したもので、AIDA(アイダ)、AIDCA(アイドカ)、AIDAS(アイダス)などもあります。
ここでは割愛させていただきますが、興味のある方は調べてみてください。
AIDCASの法則
AIDCAS(アイドカス)の法則とは、先ほどのAIDMAから派生した心理的プロセスで、Attention(注意)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Conviction(確信)、Action(行動)、Satisfaction(満足)それぞれの頭文字を取った名称です。
特徴的なのは、AIDCASは人の持っているポジティブな欲求を刺激する構成でランディングページに反映します。
AIDCASをランディングページで表現すると下記のようになります。
- 注意(目を引くキャッチ)
- 興味(特徴やポジティブ要素を訴求)
- 欲求(購入したらこんな良い事がある)
- 確信(お客様の声やランキング情報で不安を取り除く)
- 行動(キャッチのまとめと購入ボタン)
- 満足(購入後の満足度を高める仕組み作り)
最後のSatisfaction(満足)は、UX(ユーザー体験)を向上させるための施策になります。
「商品にクーポンを同梱する」「購入者限定コンテンツをお知らせ」「購入後のフォローアップ」など、購入者がより満足感が得られる施策を考えます。内容によってはランディングページに反映する必要はりません。
PASONAの法則
PASONA(パソナ)の法則とは、先ほどご説明したAIDCASの法則の逆、ネガティブな要素をピックアップしてページを構成します。
Problem(問題提起)、Agitation(問題点の煽り)、Solution(解決策)、Narrow Down(絞り込み)、Action(行動)それぞれの頭文字から取った名称です。
PASONAをランディングページで表現すると下記のようになります。
- 問題提起(ネガティブな問題を提起し共感を呼ぶ)
- 煽り(そのままでは大変!という煽り)
- 解決策(解決策をリストアップ)
- 絞り込み(さらに今買うとこんな事が・・・)
- 行動(キャッチのまとめと購入ボタン)
通販TVを見ていると便利道具などの紹介はこのPASONAの法則を利用している場合がほとんどですね。このようにPASONAの法則では人間の持っているネガティブな要素に対してグサっと突き刺す事が可能な心理的プロセスモデルです。
BEAFの法則
BEAF(ビーフ)の法則とは、訪問者が反射的に考えることを予測し、先回りして情報を伝えながらランディングページを構成していく法則で、コマースデザイン株式会社が提唱する理論になります。
Benefit(購入メリット)、Evidence(論拠)、Advantage(競合優位性)、Feature(さまざまな特徴)それぞれの頭文字を取った名称です。
BEAFをランディングページで表現すると下記のようになります。
- 購入メリット(商品利用シーンの描写、魅力的な写真など)
- 論拠(マスコミ実績、ランキング、お客様の声など)
- 競合優位性(品質、価格、利便性など世間の相場と比べてアピール)
- 特徴(色、サイズ、賞味期限、内容量、素材、成分など)
BEAFの法則では訪問者の心理に応じて、対話をしているようなストーリー展開でランディングページを構成していく事を目標としています。
QUESTの法則
QUESTの法則(フォーミュラ)とは、世界的に有名なコピーライターのマイケル・フォーティン氏が考案した法則になります。
Qualify(絞り込む)、Understand(共感する)、Educate(啓発する)、Stimulate(興奮させる)、Transition(変化させる)それぞれの頭文字を取った名称です。
QUESTをランディングページで表現すると下記のようになります。
- 絞り込む(興味がある人以外を排除)
- 共感(問題点を共感させる)
- 啓発(特徴を説明し買わない理由を潰す)
- 興奮(購入後の未来像を想像させる)
- 変化(特典や保証などで最後の一押し)
QUESTの法則で大切な事は、見込み客(訪問者)をランディングページに引き込み、オファーの正しさ(商品の良さ)を証明し、行動(購入)に駆り立てることです。
ランディングページ作りフレームワークのまとめ
それぞれランディングページ作りに使えるフレームワークを5つご紹介しました。
1つ1つ見ていくと「似たり寄ったりだな」と思うかもしれません。ですが、制作に携わる担当者がこれらを理解しているのと理解していないとでは、ランディングページ作りに大きな差が出てきます。
フレームワークはあくまでもフレームワーク。
それぞれの法則通りに作ったら売れるというものではありませんし、このフレームワークは必ずしも正解ではありません。
「今までのLPを大幅に見直してリニューアルしたらCVRが下がった。」という事例もあります。すでに実績のあるランディングページの場合は大幅な変更がCVRを下げる要因にも繋がります。既存LPのリニューアルを検討している場合は少しづつ行っていくか、ABテストができる環境で新LPを試すようにしましょう。
以上になりますが、ランディングページ作りには、それぞれの法則を理解し、ユーザー目線に立ち、競合優位性を見つけ出す事からスタートすると、おのずとストーリーが浮かび上がってくると思います。
「そのランディングページはどういう意図を持ってデザインされたのか?」
既にランディングページがある方も、これから新規で制作する方も、この記事が参考になれば幸いです。